エンジニアの強力な付加価値スキルとしての発信力

エンジニアに限らず、BlogやTwitter、OSS、登壇など、対外発信力がキャリアにおける強力な付加価値になることは知られるようになりました。

英語力がそうであるように、発信力は必ずしも必須スキルではありません。英語ができなくても活躍しているエンジニアはいくらでもいます。同時に英語がそうであるように発信力が有力な付加価値をもたらすスキルであることは事実です。

私自身、発信力が強みになっている分バイアスがあるので、あまりそのスキルの価値を過大評価して他人に押し付けるようなことはしたくありません。それに、エンジニアだったら発信力などではなく、純粋な技術力で評価されたいよな、という青臭い気持ちもまだどこかにあります。

ですから、全員が発信すべきだとは考えません。ただ、対外発信に興味を持っている人は後押しはしたいし、そういう人が増えてほしいとは強く思っています。なぜならば、それが単純に楽しいから。仲間を増やしたいし、若い人も入ってきて欲しいと思っているのです。

オタクの早口の良さ

オタクの早口よろしく、好きな技術や考えをベースにしたポジティブな感情が乗った発信をしたり、受け取ったりすることは、どちらもワクワクします。

発信を通してコミュニティとつながり、そこで仕事を超えた人間関係が生まれ、なんと、大人になってから新しい友人ができたりします。シナジーが生まれ、自分のアウトプットや考えが洗練されたり、思わぬ機会がやってくることもあります。あまり打算的にならずに楽しむことが逆に継続するコツです。とは言え、仕事や自分のキャリアにも効いてくるのも事実です。楽しんで、好きでやっていたら、思いがけず自分の成長やキャリアにも繋がってお得、くらいの感覚です。

スキルとしての発信力

発信力は仕事にも活きる汎用性の高いスキルです。自分の考えを言語化して、うまく語りかけることができれば、周りの理解や協力が得られやすくなります。また、自分の成果をきちんと説明することは、単にアピール目的だけではなく、大事な内省にもなります。振り返ることで、そのアウトカムやその意義に対する理解が深まるからです。結果として、より精度の高い仕事ができるようになるでしょう。それに、定期的にしっかりしたアウトプットを出せば、社内外に信用が得られ、よりレベルの高い面白い仕事を任されたり、依頼されたりすることも増えてきます。

私は基本は内向的で、決して積極的に表に出たいと思うタイプではありません。ただ、もはや信じてもらえないと思うので、他の方の話をすると、fujiwaraさんは「情報を発信する人のもとに情報が集まる」という言葉を良く言っています。fujiwaraさんも目立ちたがるようなタイプではないからこそ余計その言葉に重みがあります。

会社における技術発信

私は自社のエンジニアに技術発信を増やして欲しいと思っていますが、同時にノルマは課したくありません。すでに述べた通り全員がやるべきだとも思っていないし、興味がある人に自発的な発信力スキルを身に着けてもらってキャリアに活かして欲しいからです。

まずは楽しんでやってもらいたい。嫌いだけどやらなくてはいけないと義務的に感じられたり、それがさらには苦手意識に繋がったりすると悲しい。ノルマでケツを叩かれて、たくさん発信させられ、退職したら全然発信しなくなるといった使い潰しは嬉しくありません。自社で発信力を身に着けた人が、仮に残念ながら退職しても、発信を続けられるように後押ししたいと思っているのです。

会社のテックブログ等で会社の名前を使って技術発信することは個人にもメリットがあります。個人活動だけではなかなか経験できないもの、例えば金銭的になかなか手が出しづらい技術や大規模環境や面白い事業ドメイン等、を利用した発信機会が得られるからです。また、他のエンジニアや広報の人にうまくレビューしてもらえれば、より良い発信にブラッシュアップできます。このあたりは、自分の発信のために会社をうまく利用することを考えて良いのです。そして、自分の発信によって会社のプレゼンスを向上させられれば、仕事の成果としても認められるでしょう。

情報発信に対する恐怖心

情報発信に怖さを感じる人もいるでしょう。炎上するんじゃないか、いわゆるマサカリが飛んでくるんじゃないか、等。ただ、真摯な発信を心がけていれば、大きな問題になることは少ないです。それに、実際問題、発信が大きく注目を集めることは稀なので、恐れすぎる必要はありません。注目を集めることを意識せず、好きな発信をする。結果的に見て貰える人がいれば嬉しい、くらいの気楽な塩梅が良いのです。

変に注目を集めようとしすぎると炎上リスクは高まります。特に、攻撃的で過激な物言いや、変にネタに走ってしまう、例えば、性的なものやモテなどを散りばめてしまうなど。これらは、多くの場合自信がないのに背伸びして注目を集めようとしていることに他なりません。そして中身がない割に悪目立ちするから炎上してしまうのです。

ですので、情報発信することを怖がりすぎなくても良いとは思いますが、少し怖さを感じるくらいが健全だとも思います。懸念や不安に向き合うことでより良い発信をしようと思えるはずです。そして勇気を出して一歩踏み出してみるのです。

ジョジョ好きの皆様なら御存知の通り、勇気とは怖さを知ること、恐怖を我がものとすること、人間の素晴らしさは勇気の素晴らしさです。そして、恐怖なしに火を付けまくって炎上を繰り返すインプレゾンビは「勇気」を知らん! ノミと同類よォーッ!!

オープンインターネット

インターネットでの情報発信は楽しいです。自分の考えをオープンに投げかけることで、時にはシナジーが生まれ、セレンディピティが得られることもあります。それがインターネットの面白さです。

ただ、最近は、リスクを恐れて情報発信が狭い範囲に限定されてしまうことも増えていると感じます。ネガティブな問題も起こりやすくなっているのも事実でしょう。残念なことです。

私はインターネットの良さが長続きして欲しいと思っています。だから、私は自分の意見をなるべくオープンにしたいし、上手にオープンに発信できる表現力を磨いていきたいと思っています。

そして、インターネットにおいて、ネガティブな意見や感情は増幅しがちで、悲しい結末になることもあります。なので、私はネガティブな発信は避けるように心がけています。これは私が長くインターネットを楽しみたいからそうしているのです。

楽しんで情報発信していきたいし、そういう仲間が増えて欲しいとも願っています。一緒にやっていきましょう。

私が所属している、株式会社ヘンリーではエンジニアを絶賛募集中ですので、興味がある方は是非連絡下さい。